第2号 食べる栄養・食事
「痩せてきた」を、喜ばないでください
高齢の方の体重減少は、健康の証ではなく弱りのサインであることがあります。第2号では、半年で何キロ減ったら気にかけるべきか、そして食が細くなったときに何から手をつけるかをお伝えします。
「昔より軽くなった」は要注意
健康診断で体重が減っていると、うれしく感じる方がいます。若い世代ならそうかもしれません。けれど高齢の方の体重減少は、多くの場合よい知らせではありません。
減っているのは脂肪ではなく、筋肉であることが少なくないからです。
目安は「半年で2〜3kg」
フレイルを判断するときによく使われる目安があります。
半年間で、意図せず 2〜3kg以上(あるいは体重の5%以上)減った
ダイエットをしていないのに減っているなら、体のどこかで何かが起きている可能性があります。がんや甲状腺の病気など、別の原因が隠れていることもあります。
「年だから食べられなくなった」で終わらせず、一度は医療機関で相談してください。
筋肉が減ると、何が起きるか
筋肉量が減り、力が落ちた状態をサルコペニアといいます。フレイルの、とくに「からだ」の面を支える中心です。
筋肉が減ると──
- 立ち上がる、歩く、階段を上るのがつらくなる
- 動かなくなるので、さらに筋肉が減る
- 転びやすくなり、骨折のリスクが上がる
- 骨折して入院すると、また動けなくなる
この悪循環に入る前に手を打つことが大切です。当院が転倒骨折しない街づくりに取り組んでいるのも、この連鎖を地域で断ちたいからです。
まず、たんぱく質から
食が細くなったとき、ご飯やパンだけで済ませてしまう方が多くいます。ですが筋肉の材料になるのはたんぱく質です。
身近な食品のたんぱく質の量を、ざっくり覚えておくと便利です。
| 食品 | 1回あたりの量 | たんぱく質の目安 |
|---|---|---|
| 卵 | 1個 | 約6g |
| 納豆 | 1パック | 約7g |
| 木綿豆腐 | 1/3丁 | 約7g |
| 牛乳 | コップ1杯 | 約7g |
| 鮭・あじなど | 1切れ | 約15〜20g |
| 鶏むね肉 | 80g | 約17g |
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「1食に1品、主菜を必ず入れる」と考えると組み立てやすくなります。
補足 腎臓の病気などでたんぱく質の量を制限されている方は、この限りではありません。かかりつけ医の指示を優先してください。
食べられないときの工夫
食欲がないときは、量を増やすより同じ量で栄養を濃くするほうが現実的です。
- 汁物に卵を落とす、豆腐を加える
- ご飯にしらすやきなこを混ぜる
- 牛乳をそのまま飲めないなら、シチューやスープに使う
- 間食に、ヨーグルトやチーズを1つ足す
それでも食べられない日が続くときは、噛む・飲み込む力が落ちているのかもしれません。次号でお伝えします。
ご相談ください
体重の減り方や食事の内容が気になるときは、**栄養管理科の管理栄養士がご相談に応じます。フレイル全体の評価をご希望の方はフレイル外来**へ。いずれも予約制です(代表 096-381-5111)。
次号予告
第3号は「噛む・飲み込む」がテーマです。むせる、食べこぼす、滑舌が悪くなった——口の小さな衰えが全身に及ぶ話をします。
この号は院内で執筆したものです。医師・専門職による監修は完了していません。
公開前に監修者を立て、frontmatter の supervisor に記載してください。
掲載内容は一般的な情報です。診断や治療の判断は、症状や既往によって変わります。 気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関へご相談ください。