「最近つまずきやすい」は体からのサイン。フレイル予防は転倒予防から

健康情報

転倒予防の運動に取り組む方と療法士を描いたイメージイラスト

「玄関の段差でつまずいた」「横断歩道を渡りきる前に信号が変わってしまった」。 ご本人にとっては小さな出来事でも、私たちリハビリテーションの現場では、体からの早いサインとして受け止めています。

フレイルとは、戻れる段階のこと

フレイルとは、加齢にともなって筋力や心身の活力が低下し、要介護状態に近づいた状態を指します。 大切なのは、フレイルが「もう戻れない状態」ではないということです。運動・栄養・人とのつながりを整えることで、元の元気な状態に戻せる可能性がある段階を指す言葉です。

だからこそ、早く気づくことに意味があります。

ご家庭でできる、5つのチェック

次のうち3つ以上あてはまる場合は、一度ご相談ください。

  • 6か月で、意図せず2〜3kg以上体重が減った
  • 以前より疲れやすく、何をするのも面倒に感じる
  • ペットボトルのふたが開けにくくなった
  • 歩く速さが遅くなった(青信号で渡りきれない)
  • 週に1回も外出しない

今日から始められる、3つの習慣

1. 立ち上がりの回数を増やす

特別な運動より先に、椅子から立ち上がる回数を増やしてください。テレビのCMごとに立つ、といった形で構いません。立ち座りは太ももとお尻の筋肉を使う動作で、転倒を防ぐうえで最も基本になります。

2. たんぱく質を、毎食少しずつ

高齢になると食が細くなり、たんぱく質が不足しがちです。1日にまとめてではなく、毎食に卵・魚・肉・大豆製品のいずれかを一品入れることを目安にしてください。運動をしても、材料がなければ筋肉は作られません。

3. 口の健康を保つ(オーラルフレイル)

「むせるようになった」「硬いものが食べにくい」は、口の機能の衰えのサインです。口の機能が落ちると食べられるものが減り、栄養が不足し、さらに全身が弱る——という悪循環に入ります。歯科の定期受診と、食事の際によく噛むことを意識してください。

転倒は、家の中で起きています

高齢者の転倒は屋外よりご自宅内で多く起きています。特に注意したいのは次の場所です。

場所よくある原因対策
玄関上がり框(かまち)の段差手すりの設置、明るい照明
廊下・寝室電気コード、めくれたカーペット動線上に物を置かない
浴室濡れた床、浴槽をまたぐ動作滑り止めマット、手すり
階段段差が見えにくい段鼻に色を付ける、照明を足す

一度転んで骨折すると、その入院をきっかけに歩けなくなる方が少なくありません。転ばないための準備は、リハビリと同じくらい大切です。

気になったときの相談先

当院では、フレイルに専門的に対応するフレイル外来と、簡易に受けられるフレイル検診・フレイルドックをご用意しています。 また地域では転倒骨折しない街づくりの活動にも取り組んでいます。

「年のせいだから」と片づけずに、一度ご相談ください。早く気づくほど、戻せる可能性は大きくなります。


本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や治療については、必ず医師にご相談ください。

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